AI 2026.10.26

AI文字起こし、日本では時間の約7割が1時間以上の録音 Klangが利用データを公開、約4分の1は18時以降に完了

文・webmaster 約4分
AI文字起こし、日本では時間の約7割が1時間以上の録音 Klangが利用データを公開、約4分の1は18時以降に完了

会話を記録・活用するAIプラットフォーム「Klang(クラング)」を手がけるKlang AI AB(本社:スウェーデン・ヘルシングボリ)は、日本における文字起こしの利用データを集計し、その結果を公開した。対象期間は2026年9月9日〜10月22日。この期間の文字起こし時間のうち約7割(69.8%)を1時間以上の録音が占めた。件数ベースでは約84%が録音済みファイルのアップロードで、約26%は18時以降に文字起こしが完了していた。同じ期間のスウェーデンと比べると、これらの項目はいずれも日本の方が高い割合だった。

日本での文字起こしは、2026年8月のサービス開始から累計42万分(約7,000時間)を超えている。ただし、この累計には録音の長さが記録されていない一部の録音(主に9月8日以前)が含まれていないため、実際の累計はこれを上回るという。集計の概要は次のとおり。

  • 調査主体:Klang AI AB(自社調べ)
  • 対象:日本国内からのアクセス(IPアドレスによる推定)が確認されたユーザーの文字起こし。比較対象は、スウェーデン国内からのアクセスが確認されたユーザー(日本のユーザーを除く)
  • 集計件数:傾向の集計は文字起こし8,037件(ユーザー1,844人)
  • 集計項目:録音の長さ、文字起こしの完了時刻、取り込み方法のみ。音声や文字起こし結果など、会話の内容は一切含まない
日本とスウェーデンの文字起こしの使い方の比較(自社調べ)
日本とスウェーデンの文字起こしの使い方の比較(自社調べ)

件数は約35%でも、時間では約7割を占める長時間録音

1時間以上の録音は件数で見ると約35%にとどまるが、文字起こし時間では約7割(69.8%)に達する。2時間以上の録音も時間ベースで27.9%あり、録音の長さの中央値は41分だった。利用量の多い上位1割のユーザーを除いて集計し直しても、1時間以上の録音は時間ベースで62.8%を占めている。

時間帯別に見た文字起こし完了の割合・日本時間(自社調べ)
時間帯別に見た文字起こし完了の割合・日本時間(自社調べ)

日本の主流は「録ってから文字にする」スタイル

文字起こし件数の約84%は、録音済みファイルのアップロードによるものだった。KlangはWeb会議との連携やアプリでの録音にも対応しているが、日本ではあとからファイルを取り込んで文字起こしする使い方が中心になっている。

一方、スウェーデンではファイルのアップロードが約52%、1時間以上の録音が時間ベースで約53%、録音の長さの中央値は33分だった。なお同社は、両国で利用開始の時期や利用者層が異なるため、単純な比較はできないとしている。

完了の約4分の1は18時以降、週末も約13%

文字起こしの完了時刻は11時台が最も多く(8.5%)、18時以降が約26%、週末が約13%だった。スウェーデンでは18時以降が約10%、週末が約5%となっている。時刻は日本が日本時間、スウェーデンが現地時間で、いずれも録音した時刻ではなく文字起こしの完了時刻を集計したもの。同社は、会議や面談を終えたあとに時間をとって記録を整える使い方が一定数あるとみている。

登録数は9月の約2倍に、データ保護の体制も強調

利用は拡大している。直近7日間(10月16日〜22日)の文字起こし時間は約18万分で、9月で最も多かった週(9月14日〜20日)の約4.4倍となった。10月1日〜22日の新規登録数は2,173件で、9月1か月分(1,098件)の約2倍(9月1日〜22日との比較では約2.8倍)。日本国内の累計登録数は10月22日時点で4,668件に達している。利用されている現場は介護・福祉、教育、報道・執筆、法務などで、製造業やIT企業ではチーム単位での利用も始まった。情報セキュリティ審査を進めている組織があるほか、データ処理契約(DPA)を締結した組織もあるという。

長い会話には、個人や取引先に関する情報が多く含まれる。Klangはお客様の会話データをAIの学習に使わない方針をとり、ISO/IEC 27001:2022の認証を取得したうえで、EUの一般データ保護規則(GDPR)に基づいて運用している。また同社は2026年9月、スウェーデン語の音声認識モデル「Klang Pianissimo」をオープンウェイトで公開しており、日本語の音声認識モデルの開発も予定している。

共同創業者兼CTOのAndreas Argelius氏は、日本では録音ファイルをあとから文字にする使い方が中心で、1時間以上の長い会話をまるごと残す利用者が多いことがわかったと説明する。そのうえで、会議や面談、取材の記録はそれ自体が大切な資産であるとし、会話データをAIの学習に使わない方針のもと、安心して記録を預けられるサービスを続けていく考えを示した。

出典:Klang AI AB

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