AI 2026.10.23

ServiceNow、第3世代「従業員中心のAIハーネス」を発表 EmployeeWorksでAIエージェントをノーコード構築へ

文・webmaster 約8分
ServiceNow、第3世代「従業員中心のAIハーネス」を発表 EmployeeWorksでAIエージェントをノーコード構築へ

全ての従業員がノーコードでAIエージェントを構築・カスタマイズ可能に

ServiceNow Japan合同会社は、米国ServiceNow, Inc.が2026年10月15日(米国時間)に発表した「ServiceNow EmployeeWorks」の主要な機能強化について、日本で発表内容を公開しました。今回の強化では、従業員が自分の業務に必要なAIエージェントを自ら構築できるようになります。これらのエージェントは人間の介入なしで日常業務を完了し、重要なビジネス機能全体で、ペルソナに深く根ざした作業を可能にするとしています。開発者向けには、新たなエージェンティック開発環境「ToolSmith」も用意され、複雑なツールの構築時間を数日から数分へ短縮し、エンタープライズスケールで安全に実現できるといいます。

ServiceNow EmployeeWorksを動かしているのは、第3世代の従業員中心のAIハーネスです。このハーネスは、インテリジェントなコンテキスト、信頼性の高い意思決定、そしてAIを安全にオーケストレーションするための堅牢なエンタープライズアクションを従業員に提供します。

背景には、企業のAI投資が増える一方で、多くの従業員がいまだに自分の業務に必要なAIを構築できていないという状況があります。IT部門の未対応案件、開発者の制約、ベンダーロックイン、分散したツールが壁となり、業務に最も近く課題を最も理解している人々が、安全なアクションを実行するAIソリューションを作れずにいるのです。ServiceNowのチーフピープル & AIイネーブリングオフィサーであるジャッキー・カニー(Jacqui Canney)氏は、「AIの真の約束は、意図とアクションの間のギャップを埋めることです」と述べています。同氏は、いまのビジネスリーダーには顧客のニーズを中心に業務を再設計することが求められているとし、テクノロジーがその目標をサポートすることで、従業員は調整作業にかける時間を減らし、人間の判断を必要とする顧客の課題解決により多くの時間を費やせるようになると説明。ServiceNow EmployeeWorksがそのシフトを可能にするとしています。

Productivity AssistantsとProductivity Routines

「Productivity Assistants」は、コンテキストに応じたニュアンスのある作業や、ペルソナベースの作業に特化したAIアシスタントです。推論、記憶、ツールの相互運用性を組み合わせた第3世代のハーネス上で動作し、持続的な記憶を持って、詳細な調査、長期にわたるタスク、システム間やエージェント間の作業を担当できます。コードを書かない従業員でも、管理者が定義したガードレールのもとで必要なアシスタントを構築でき、振る舞い、コンテンツ、ツール、アクセス権限をカスタマイズできます。事前構築済みのアシスタントも用意されています。

Productivity Assistantsは、HR Service Deliveryを皮切りに、さまざまなServiceNow製品向けに提供され、マネージャーに対して人事、タレント、成長、採用に関するサービスを直接拡張します。HR Service Delivery向けには、次のアシスタントが挙げられています。

  • Talent Insights Assistant: FindemおよびPhenomとの連携により、候補者の適合度、採用、組織のタレントに関する洞察をマネージャーに直接提供
  • HR Business Partner Assistant: 承認、ケース管理、従業員プログラムなどの人事ニーズに対話型で対応し、デジタルツインとして人事チームの拡張を支援
  • Manager Assistant: タイムリーなコーチング、洞察、チームパフォーマンスの可視性をマネージャーに提供し、通常は人事担当者やプロセスの中に隠れている情報や機能を解放

ServiceNow EmployeeWorksでは、2つの基本となるProductivity Assistantが標準機能として利用でき、さらに追加で構築することも可能です。1つは「Research Assistant」で、社内外の情報ソースにわたる複雑な疑問をリアルタイムで調査し、役割やアクセス権限に基づいてパーソナライズした回答を、リッチなアーティファクト、ドキュメント、スライド形式で提供します。もう1つの「Calendaring Assistant」は、カレンダーシステムと直接連携し、複雑なカレンダーの解読、スケジュール競合の解消、会議室の予約、Web会議リンクの追加などを担うスマートなスケジューラーです。プロジェクト業務への影響を最小限に抑える日にチーム全員との四半期1対1ミーティングを設定したり、終日ワークショップのためにチームが集まる最も過密でない日を探したりといった、ニュアンスを含む高度な要求にも対応するとしています。

一方の「Productivity Routines」は、予測可能で反復的な作業向けに、従業員自身が構築・導入できるバックグラウンド実行型のエージェントです。毎回同じ手順を実行し、人間の介入なしで完了した成果物を届けます。たとえば営業リーダーが「Prospecting Agent(見込み顧客開拓エージェント)」を構築すれば、業務開始前にカレンダーをスキャンして今後のアカウントミーティングを確認し、社内外のリソースでそのアカウントを調査したうえで、自社の価値提案を見込み顧客の課題に合わせた専用の資料やピッチを組み立てられます。従業員はバックエンドシステム、API連携、データモデルを理解する必要はなく、自動化したい内容を説明し、必要なツールを選んでデプロイするだけです。ガバナンスが組み込まれた状態で、自動化の権限がIT部門から業務を最も理解している人々へ移ることになります。

開発者向け「ToolSmith」と「Conversations API」

ToolSmithは、ServiceNow EmployeeWorksのAIアシスタント向けにあらゆる自動化を構築できる新しいエージェンティック開発環境です。開発者が達成したい内容を自然言語で説明すると、ToolSmithがツールのエンドツーエンドの構築を担います。7万5,000以上のAPIで学習されており、開発者と計画をすり合わせ、ベストプラクティスに沿って連携を実装し、トークン効率と信頼性に最適化したAIエージェント向けツールを構築します。問題が起きた場合は関連ログを抽出して修正案を提示し、開発者は同じ対話型の体験の中でテストや調整を行えます。さらに、ログをスキャンして最適なワークフローの修正、改善、新規開発の機会を特定する機能も備え、これまで数週間かかっていた作業がわずか数分で完了するとしています。

新たな「Conversations API」を使えば、企業はProductivity Assistants、Productivity Routines、ToolSmithなどのEmployeeWorksの機能を、自社固有の内部アプリケーション、キオスク、その他のAIアプリケーションを含む、従業員が日常的に使うツールに直接組み込めます。アーキテクチャの再設計を必要とせず、すべてのチャネルで利用可能な1つの統合プラットフォームとして提供されます。

顧客・パートナーのコメントと提供状況

顧客およびパートナーからもコメントが寄せられています。Salvation Army Australiaの最高情報責任者(CIO)であるミラド・クルーゼ(Milad Kruze)氏は、すでに使用しているエコシステムに組み込まれたソリューションを求めていたとし、ServiceNow AI Platformはすでに同団体のデジタルの軸になっていたと説明しています。そのうえで、同団体のAIスペシャリスト「Goldie」は現在、10件中9件の質問をエスカレーションなしで解決しており、従業員に5,000時間以上の時間を取り戻させたと述べています。また、Cprime傘下のINRYでバイスプレジデント兼ServiceNowプラクティスリードを務めるマット・ロビネット(Matt Robinett)氏は、レガシーなポータルを1つの対話型フロントドアに置き換えたことで、従業員の日常的な業務の進め方が完全に変わったとコメント。さらに、ServiceNow EmployeeWorksによって社内申請の提出時間が60%短縮され、完了率は97%に達し、アプリケーション間を行き来する必要も完全になくなったとしています。

Productivity Assistants、Productivity Routines、従業員中心のハーネス、ToolSmith、Conversations APIは、いずれも米国での発表と同日から限定公開されています。

出典:ServiceNow Japan合同会社

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