フィンテック 2026.09.03

保護者が学校に求める授業、1位は「お金」—生成AIを大きく上回る調査結果

株式会社DeltaXが運営する塾選びサービス『塾選』は、2026年8月に小中高校生の保護者150名を対象に「学校で充実させてほしい授業」に関する調査を実施しました。この調査で、保護者の67%が「お金」に関する授業の充実を希望しており、注目を集める「生成AI」を約2.7倍も上回る結果となりました。背景には、大人になってからの金銭トラブル回避や資産形成の必要性、家庭での教育の難しさがあり、保護者は必修化や専門家による実践的な金融教育を強く求めています。

文・webmaster 約6分
保護者が学校に求める授業、1位は「お金」—生成AIを大きく上回る調査結果

保護者が学校に求める授業、1位は「お金」に決定

2026年8月、株式会社DeltaXが運営する塾選びサービス『塾選』は、小中高校生の保護者150名を対象に「学校で充実させてほしい授業」に関する調査を行いました。教育現場で生成AIの活用が注目される中、保護者が最も優先してほしいと考えるのは新しい技術の学習ではなく、実生活に直結する「お金」に関する授業であることが明らかになりました。

調査の結果、「お金」の授業を選んだ保護者は全体の67%に達し、これは「生成AI」を選んだ保護者(25%)を約2.7倍も上回る結果です。家計管理、税金、社会保障といった内容が上位に挙がり、子どもたちが日常生活や社会で直面するであろうトラブルを避けるための知識や力を求めていることがうかがえます。

学校で充実させてほしい授業は「お金」

学年別で異なる重視点:小学生は「ネット・SNS」、中高生は「お金」

「最も充実させてほしい授業」を学年別に見てみると、小学生の保護者では「ネット・SNS」が26%で最多となり、次いで「お金」が24%、「社会のマナー・モラル」が20%と続きました。

一方、中学生の保護者では「お金」が24%で最も多く、「ネット・SNS」と「人間関係」がそれぞれ18%でした。高校生では「お金」への要望がさらに高まり、36%に上っています。

この結果から、保護者は小学生のうちにネット・SNSの安全な使い方や社会のマナーを学んでほしいと考える一方、中高生になると「お金」の授業をより優先する傾向が見られます。

最も充実させてほしい授業(学年別)

お金の授業が求められる4つの理由

保護者がお金の授業を強く求める背景には、主に以下の4つの理由が挙げられます。

  1. 自分が大人になってから苦労した経験:
    「社会人になってから税金や保険、家計管理について調べる機会が多く、もっと早い段階で基礎を学んでおけばよかった」といった声が多く聞かれました。現代社会で必須とされる金融リテラシー(お金に関する知識や判断力)を若いうちから身につけることの重要性が指摘されています。
  2. 契約や金融トラブルから身を守るため:
    ネット通販やスマホ契約、リボ払いといった消費者トラブルに巻き込まれるリスクを懸念し、「契約の意味や詐欺への対処方法を知っていれば、自分を守る力になる」という意見がありました。
  3. 貯蓄だけでなく投資や資産形成の必要性:
    「これからの時代は投資をすることが重要」「お金に働いてもらう」といった声から、単なる貯蓄だけでなく、資産運用やインフレ対策といった金融知識の早期習得を求める意識が見られます。
  4. 保護者から教えることの難しさ:
    「18歳成人を控えて心配」「親もクーリングオフなど分からない」「株やFXについて息子に教えられなかった」といった声があり、制度の複雑さや知識の不足から、家庭での教育に限界を感じている保護者が多いことがうかがえます。

金融教育の現状と保護者の実感のズレ

金融教育はすでに小中高校の学習指導要領に組み込まれており、小学校では金銭の使い方、中学校では金銭管理や契約、高校では家計管理や社会保障、金融の仕組みなどを、家庭科や社会科、公民などで学んでいます。

しかし、「お金」の授業を最も充実させてほしいと回答した保護者に、子どもが学校でどの程度学んでいるか尋ねたところ、約8割が「十分に学べていない」と捉えている結果となりました。「ほとんど学んでいない」が33%、「まったく学んでいない」が26%、「学んでいるが、内容や時間が足りない」が19%です。

これは、学校で知識が扱われていても、それが実生活で使えるレベルになっているか、保護者が判断しにくいことが要因かもしれません。

お子様はお金について学校でどの程度学んでいますか

保護者が望む「お金の授業」の形

保護者は、お金の授業について具体的な実施方法を望んでいます。

まず、約8割の保護者が「必修の授業」として扱うことを希望しています。「一定の学年から必修の授業にする」が57%、「必修の授業にする」が21%という結果でした。家庭環境による学習機会の差が出ないよう、学校で共通して学べる機会が求められています。

お金の授業を学校でどのように扱うのが良いと思いますか

次に、誰が教えるのが良いかという問いに対しては、「資格を持つ専門家」が60%と圧倒的な支持を得ました。「学校の先生」や「起業家・経営者」はそれぞれ14%にとどまっています。複雑で変化の多いお金の知識だからこそ、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門知識を持つ人からの指導が期待されているようです。

お金の授業は誰が教えるのが良いと思いますか

さらに、お金の授業を実施するために既存の授業や学校活動を減らす必要がある場合でも、約9割の保護者が実施に前向きな姿勢を示しました。「減らす内容によっては実施」が69%、「他の授業や活動を減らしてでも実施」が19%です。これは、お金の授業が単なる追加科目ではなく、既存のカリキュラムを見直してでも導入すべき重要なテーマであると認識されていることを示唆しています。

ほかの授業を減らしてでもお金の授業を実施してほしいですか

実践的な授業アイデアの具体例

保護者からは、子どもたちの実生活に即した具体的な授業アイデアも多数寄せられました。

  • 「ゲーム課金で学ぶお金の授業」(ガチャの怖さ、確率、予算管理)

  • 「お金に困った時の具体的な乗り切り方や救済制度」

  • 「税金によってどのぐらい月の出費が増えるのか」

  • 「サブスク・定期購入解約の罠を見破る消費者トラブル回避授業」

  • 「社会人になる前のお金失敗防止授業」(クレジットカード、投資、詐欺などを実例で学ぶ)

これらのアイデアに共通するのは、単に用語や制度を覚えるだけでなく、具体的な場面を通して、お金の使い方や失敗を防ぐ方法を実践的に学ばせたいという思いです。知識の一方的な伝達ではなく、子どもたちが自分で判断する力を身につけられるような授業が期待されています。

まとめ:実生活で役立つ金融教育への強いニーズ

今回の調査では、学校で最も充実させてほしい授業として「お金」が圧倒的な支持を集めました。特に中高生では、その傾向が顕著です。

既存の金融教育があるにもかかわらず、多くの保護者が「十分に学べていない」と感じていることから、現在の教育内容と実生活での必要性との間にギャップがあることが浮き彫りになりました。

保護者が望むのは、必修化された専門家による指導であり、ゲーム課金やサブスク、税金といった身近な題材を通じて、知識を実生活での判断に結びつけられる実践的な金融教育です。

詳細な調査結果は以下のリンクからご覧いただけます。
https://bestjuku.com/shingaku/s-article/67170/

調査概要

  • 調査対象: 小・中・高校生の保護者(有効回答数150名)

  • 調査時期: 2026年8月

  • 調査機関: 株式会社DeltaX(自社調査)

  • 調査方法: インターネットを使用した任意回答

  • 調査レポート名: 「学校の授業」に関する調査

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