空間データ活用プラットフォーム「スペースリー」を運営する株式会社スペースリー(東京都渋谷区、代表取締役CEO:森田 博和)は、同社の住宅内覧用3Dウォークスルーが、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2026年度グッドデザイン賞」を受賞したと発表しました。評価されたのは、専門知識のない人でもオンライン内覧用の3Dウォークスルーコンテンツを手軽に作れる点と、注文住宅などの間取りについて顧客と住宅事業者が齟齬なく認識を合わせられる点です。受賞番号は26G181312です。

専門スタッフの約10時間の作業を99%削減
受賞したサービスは、ウェブブラウザで再生できる住宅内覧用の3Dウォークスルーを制作・編集・活用するためのクラウドソフトウェアです。住宅用3D CADで一般的なフォーマットであるFBXデータを管理画面にドラッグ&ドロップすると、約15分でオンライン内覧用のコンテンツが完成します。
従来は専門スタッフが約10時間をかけていた「データ変換・ライティング・Web構築」の作業を99%削減したとしています。これにより、専門知識のない営業担当者でも高品質な3Dウォークスルーを作成できます。この技術は特許を取得しています(特許第7769996号)。
デザイン面の主な特徴
- アップロードするだけで完成:FBXデータの変換に加え、ライティングと陰影処理も自動で実行。プランを変更した際も、更新したデータをアップロードし直すだけで反映される
- アプリ不要、URLを送るだけ:専用アプリは不要で、URLを共有すればスマートフォンを含むすべての端末で閲覧可能。施主が家族と共有することも簡単
- スマホでも快適な没入体験:データの軽量化・最適化により、ストレスなく動作。間取り図から各部屋へのワープ、子ども目線への視点切り替え、壁紙・床の色変更などの機能を搭載
- カラーシミュレーション:壁や床、天井、ドアといった要素ごとのカテゴリーをAIが自動で判別し、壁紙や床、天井などの色を簡単に変更できる

開発の背景と審査委員の評価
同社によると、住宅設計で最も難しいのは、顧客と完成イメージを共有することです。平面図だけでは伝わりにくく、価値観も多様化しているため、打ち合わせが長くなり、営業・設計担当者の負担が増えていました。スペースリーは、図面や物件写真を360°パノラマ化する技術と、ユーザーがパノラマをどう見ているかに関する膨大なデータを持っています。これらを活用し、3D CADデータから没入感のあるオンライン内覧を自動生成するサービスを開発しました。
審査委員は、オンライン内覧用のウォークスルーコンテンツを手軽に作れる点に加え、オンラインで間取りについてやり取りできる点を高く評価しました。間取りを3Dイメージで閲覧できるサービス自体は以前からありましたが、モデルの作成が面倒だったり、操作感が直感的でなかったりといった課題があったと指摘しています。また、多くの顧客にとって注文住宅は人生に1度か2度の買い物で、情報の非対称性が高く、完成形をイメージしにくいことにも触れています。そのうえで、本サービスの普及によって顧客と事業者の間のイメージのズレが解消され、納得感のある住まいづくりが進むことへの期待を示しました。

大手ハウスメーカーで導入が進む
この機能は、スウェーデンハウスやタマホーム、日本ハウスホールディングスなどの大手ハウスメーカーをはじめ、全国展開する住宅会社で導入が進んでおり、顧客満足度の向上に貢献しているといいます。
株式会社スウェーデンハウスの生産技術部 部長・梅村 正直氏は、CADデータをドラッグ&ドロップするだけで3D住宅コンテンツを生成できる簡単さと使いやすさが営業現場で好評だと述べています。顧客に提案したものの見送りとなった企画プラン案も、事例として自社ホームページへ掲載したり商談で活用したりできるため、見せられる企画プランを増やせる点を大きなメリットに挙げました。色や素材を変更できるカラーセレクト機能については、事業者だけでなく顧客も操作できることから、抜け漏れや認識違いの解消につながることに期待を寄せています。
タマホーム株式会社の瑞穂支店 支店長・中村 昌信氏は、顧客ニーズの多様化や間取りの複雑化によって図面だけではイメージしづらいケースが増える中、VRによって空間を直感的に把握してもらえるようになり、提案の精度と分かりやすさが向上したと話しています。顧客のこだわりや要望を事前に明確に把握できるため、打ち合わせがスムーズに進むようになったほか、顧客が自宅で家族と一緒にVRを見ながら間取りを検討できることで、納得感のある意思決定にもつながっているとしています。
株式会社日本ハウスホールディングスの日本ハウス事業部 埼玉支店・内山 信弘氏は、CADデータをドラッグ&ドロップするだけで、わずか15分程度でAIが3D住宅コンテンツを自動生成し、専門的な知識や操作が一切不要な点を評価しています。URLを共有するだけでスマートフォンなどからいつでも閲覧できることで、対面だけでなくオンラインでの提案もしやすくなり、商談の質の改善や顧客の意思決定のスピードアップ、営業生産性の向上を実感しているとのことです。今後は空間内コメント機能による顧客とのコミュニケーションの一元化や、カラーセレクト機能を使った顧客自身による仕様・色決めのシミュレーションなどを通じて、さらなる業務効率化と顧客体験の向上を目指すとしています。
受賞展は東京ミッドタウンで開催
「G展・グッドデザイン賞受賞展」は、2026年10月31日(土)から11月4日(水)まで、東京ミッドタウン(東京都港区赤坂9-7-1)のB1F ホール・アトリウム、4Fカンファレンス、5Fデザインハブで開催されます。開場時間は11:00〜19:00で、最終日は18:00に閉場します。入場無料で事前予約は不要ですが、混雑状況によっては入場制限を行う場合があります。主催は公益財団法人日本デザイン振興会です。
スペースリーは2013年8月設立で、資本金は1億円です。360度VRコンテンツの制作・活用のためのクラウドソフト「スペースリー」は、2016年11月の提供開始以来、不動産・ハウスメーカーなどの分野を中心に15,000以上の事業者に利用されています。パノラマ写真を3Dコンテンツに変換する機能や、VRコンテンツ上で家具のシミュレーションやサイズ推定ができる「AI空間設計」機能などを持ち、360度空間データや視線データ活用のためのAI x VRの研究開発を進めるSpacely Labも運営しています。
出典:株式会社スペースリー