荒川区立第九中学校夜間学級、AI活用ICT教材で日本語教育の新モデルを実践
2026年9月8日、株式会社すららネットが提供するAI活用日本語学習ICT教材「すらら にほんご」が、荒川区立第九中学校夜間学級の日本語授業で活用されていることが発表されました。この取り組みは、教員の経験や知見に左右されず、生徒一人ひとりに質の高い日本語教育を提供することを目的とした新しい授業モデルを確立したものです。

日本語指導の現状と課題
近年、日本国内では日本語指導が必要な児童生徒が年々増加しており、文部科学省の調査によると、その数は8万4,759人に達し過去最多となりました(※1)。公立学校の約4割で日本語指導が必要な児童生徒が在籍しており、これは全国的な教育課題となっています。
しかし、日本語教育を専門とする教員は限られており、多くの学校では他教科の教員が日本語指導を担っているのが現状です。特に夜間中学では、日本語力や学習歴、来日時期などが多様な生徒が在籍するため、個別に応じた指導が求められます。さらに、日本語指導には国語や数学のような学習指導要領がなく、「何を、どの順番で、どのように教えるか」が担当教員の経験やノウハウに委ねられることが多く、教員が異動や交代するたびに授業づくりを一から組み立て直す負担が生じていました。
※1 文部科学省「令和7年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(令和7年度)」の結果について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421569_00007.htm
新しい授業モデルで「誰でも質の高い授業」を実現
荒川区立第九中学校夜間学級では、これらの課題に対し、教員個人の経験に頼るのではなく、学校全体で授業の基本となる流れを共有する仕組みを構築しました。日本語テキストとICT教材「すらら にほんご」の学習内容を連動させた授業計画を作成し、以下の3つのブロックで構成される45分授業モデルを体系化しています。

授業モデルの3つのブロック
- 一斉授業(20分):知識のインプット
「すらら にほんご」のレクチャー機能を活用し、日本語テキストの基礎となる内容を全員で学びます。 - テキスト演習&対話活動(15分):アウトプットの機会
一斉授業で学んだ内容をテキストで確認し、実際の対話の中で使うことで、日本語をアウトプットします。教員は生徒同士の対話を促し、サポートする役割を担います。 - ドリル&テスト(10分):個別最適な定着
「すらら にほんご」のドリルやテストに取り組み、AIが一人ひとりの理解度やペースに応じた学習をサポート。学んだ内容の定着を図ります。教員は学習結果を確認し、次の指導につなげます。
この授業モデルにより、基礎知識の「インプット」、学んだ日本語を実際に使う「アウトプット」、そして一人ひとりの理解度に応じた「定着」までが、一つの授業の中で完結します。ICT教材(情報通信技術を活用した教材)が個別学習や採点、学習履歴の確認を担うことで、教員は生徒と向き合う時間をより多く確保できるようになりました。
歳納隼人教諭(荒川区立第九中学校 夜間学級)は、この取り組みについて「授業の土台となる部分を共有しながら、それぞれの教員が生徒の状況に合わせて工夫を加えられる環境をつくることが目標です。この実践が、日本語指導に携わる先生方にとって、授業づくりを考える際の一つの参考になればと思います」とコメントしています。

日本語学習ICT教材「すらら にほんご」とは
「すらら にほんご」は、AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材で、日本語を学ぶ外国人を対象としています。学校の児童生徒だけでなく、日本語学校や海外の教育機関、就労を目指す外国人など、幅広い学習者に利用されています。その取り組みは高く評価され、第22回日本e-Learning大賞 日本語教育特別部門賞を受賞しました。

コンテンツは基礎から応用まで段階的に学べる構成で、書写機能や母語での意味確認機能も搭載されています。アニメーションキャラクターの登場やゲーミフィケーション要素(ゲームの要素を学習に取り入れること)により、学習意欲を高める工夫も凝らされています。現在は日本語能力試験のN5、N4、N3レベルに対応し、2026年7月には対応言語が14言語に拡大され、20か国以上の外国ルーツを持つ学習者が母語で日本語を学べる環境が整備されました。2025年からは、全国の夜間中学を中心に活用が広がっています。
「すらら にほんご」について、さらに詳しくはこちらをご覧ください。
https://surala.jp/service/service_other/nihongo/
今後の展望
株式会社すららネットは、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念に掲げ、AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材「すらら」「すららドリル」などを開発・提供しています。現在、国内の3,100校以上の学校や学習塾で導入され、約26万人の児童生徒が利用しており、不登校や発達障がい、経済的困難な状況の子どもたちにも学習機会を届けることで、教育課題の解決に取り組んでいます。
すららネットは今後も、教育現場で生まれるさまざまな実践や工夫を紹介し、日本語指導に携わる教員や学校が、それぞれの課題に応じたICT教材の活用や授業づくりを考える際の一助となることを目指していくとのことです。
株式会社すららネットのコーポレートサイトはこちらです。
https://surala.co.jp/
サービスサイトはこちらです。
https://surala.jp/