大学のAI活用が本格化!学生のAI利用拡大を受け、6割以上の大学が「授業・課題・評価方法」を見直しへ
eラーニング戦略研究所の調査により、大学教員のAI活用が教育・研究活動全般に広がり、約9割がその有用性を評価していることが判明しました。学生のAI利用拡大を受け、多くの大学で授業や評価方法の見直しが進んでいます。本調査は、大学のAI活用成熟度や専門分野別の特徴も明らかにしています。
大学教員のAI活用が日常に
調査によると、大学教員の86.1%が校務で、70.4%が授業準備で、そして91.3%が研究活動でAIを利用していることが分かりました。利用頻度も高く、「ほぼ毎日」または「週数回」利用する教員が全体の71.3%を占め、AIが大学教員の日常業務に深く浸透している様子がうかがえます。
AI利用による効果を実感している教員は87%に上り、特に「研究活動の効率化・時間短縮」を挙げた回答者が66.1%と最も多くなりました。また、89.6%の教員が「AIは大学教育にとって有用」と評価しており、AIが教育・研究活動を支える実務ツールとして認識されていることが示されています。
学生のAI利用と教育現場の変化
学生のAI活用が広がる中、大学では教育方法の見直しが喫緊の課題となっています。実際に、回答者の41.7%がすでに授業や課題、評価方法を変更しており、「今後変更予定」と回答した教員を含めると、6割以上が何らかの見直しを計画または実施しています。

学生によるAI利用については、「レポート作成」を中心に学習活動全般に広がっていることが背景にあります。学生のAI利用方針に関しては、「一定条件のもとで利用を認めている」が過半数を占める一方で、約2割の大学ではまだ運用方針が定まっていない状況です。これにより、大学によって対応状況にばらつきが見られます。

自由記述では、「レポートをAIで作成してくるので困っている」といった具体的な声や、不正利用への対応、評価方法の課題、学生の思考力低下への懸念など、AI導入に伴う教育現場ならではの課題が浮き彫りになっています。
大学のAI活用成熟度を分析
本調査では、教員のAI利用状況や大学のルール整備状況に基づき、AI活用成熟度を4段階(Lv1:教員未活用、Lv2:限定導入段階、Lv3:ルール整備段階、Lv4:組織運用段階)に分類しました。その結果、Lv2が28.7%、Lv3が36.5%、Lv4が33.9%と、おおよそ3層に分かれることが判明しました。

特に、約7割の大学がルール整備以上の段階に達しており、組織的なAI活用が進展していることが示唆されます。組織運用段階(Lv4)の大学では、AIの効果実感や有用性評価が特に高く、LMS(学習管理システム)などの既存システムとの連携や利用ログ・管理機能の整備といった運用基盤の充実に高い関心が見られました。
専門分野によるAI活用の違い
教員の専門分野によっても、AIの利用用途や必要な支援に違いが見られました。研究活動においては、理系で「翻訳・英文作成」や「論文・研究資料作成」の割合が高く、情報系では「論文や資料の要約」や「プログラミング・コーディング」の利用が多い傾向にあります。これは、それぞれの分野特性に応じたAI活用が進んでいることを示しています。
授業・課題・評価方法の変更状況でも専門分野による差があり、情報系では変更済みの割合が高い一方で、医療系では変更していない割合が比較的高い結果となりました。このことから、大学全体で一律の対応ではなく、分野ごとの特性を踏まえた支援や環境整備が求められていることが分かります。
調査概要と関連情報
この調査は、大学教員を対象に生成AI活用の実態を明らかにし、AI活用成熟度を定義することで、成熟度別の課題や支援要件を明らかにすることを目的としています。有効回答数は115名でした。
株式会社デジタル・ナレッジは、1995年創業のeラーニング専門ソリューションベンダーとして、教育機関や研修部門の「知識(ナレッジ)」を効率的・効果的に流通させ、より良い知識社会の実現に貢献することを使命としています。同社は、ITを活用したより良い教育の実現を目指しています。
関連レポート
eラーニング戦略研究所では、教育・人材育成に関する様々な調査レポートを公開しています。
-
小中高における生成AI活用実態調査報告
-
外食・飲食サービス業界の人材育成に関する調査報告
-
建設・設備管理業界の人材育成に関する調査報告
-
教育DXに関する調査報告
-
デジタルバッジに関する調査報告
-
日本型教育の海外展開に関する調査報告 ほか多数
調査レポート一覧はこちらからご覧いただけます: https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/category/report/
株式会社デジタル・ナレッジについて
-
本件に関するお問い合わせ: https://www.digital-knowledge.co.jp/inquiry/
-
調査報告の詳細はこちら: https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/49585/

