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DX・業務効率化 2026.08.05

アパレル物流研究会にビームス、豊島が参画し共同輸送スキームを構築、ドライバー不足解消へ

アパレル物流研究会は、ドライバー不足の課題解決を目指し、新たに株式会社ビームスと豊島株式会社が参画したことを発表しました。同研究会は、港湾から物流センターへの共同輸送スキームを構築し、実証実験でドライバーの運行時間削減やCO2排出量削減に成功。今後も参加企業を募り、業界全体の持続可能な物流モデル確立を目指します。

文・webmaster 約5分
アパレル物流研究会にビームス、豊島が参画し共同輸送スキームを構築、ドライバー不足解消へ

国内ドライバー不足への深刻な懸念

現在、国内の車両稼働台数は2011年と比較して約35%減少しており、海上コンテナ輸送を担うドライバーの平均年齢は52.6歳と高齢化が顕著です。新規参入が難しい状況の中で、2023年から2025年にかけて運賃は上昇を続けており、人手不足とコスト増が同時に進行していることが指摘されています。

アパレル物流研究会は、将来的に「人がいなくなる、運べなくなる」という懸念に対し、競合や取引先の枠組みを超えてリソースを集約し最適化することで、持続可能な国内輸送網の維持・構築を目指しています。

「アパレル物流研究会」の概要と新たな参画企業

2023年10月に発足したアパレル物流研究会は、株式会社アンドエスティHD、株式会社バロックジャパンリミテッド、株式会社TSIホールディングス、株式会社ユナイテッドアローズの4社が共同で設立しました。各社の課題を共有し議論することで、業界共通の物流課題を明確にし、ファッション業界におけるロジスティクスの効率化と持続可能な物流モデルの実現を目指しています。

今回、この研究会の理念に賛同し、新たに株式会社ビームスと豊島株式会社の2社が参画しました。これにより、研究会の活動はさらに拡大し、アパレル・繊維業界の枠を超えた共創が期待されます。

共同輸送における「2つの本稼働スキーム」

アパレル物流研究会は、海外商品の調達領域において、無駄な運行と待機時間を排除するための共同輸送スキームを構築しました。

1. 下関港からの共同輸送

中国(華東・華北)発の輸入貨物を下関港に集約し、フェリー輸送(横須賀港経由)を組み合わせて各社物流センターへ共同輸送するスキームです。これにより、以下の効果が期待されます。

  • 車両削減: 下関港で各社貨物を荷合わせし、運行車両台数を削減。

  • 運行時間: フェリーによるドライバー無人輸送(モーダルシフト:トラックによる輸送を鉄道や船舶に切り替えること)で運行時間を削減。

  • スピード: 従来のリードタイム(輸送日数)を維持。

下関港からの共同輸送スキーム

2. 東京港からの共同輸送

東京港に到着した貨物について、港湾施設(CFS:コンテナ貨物取扱所)を巡回集荷し、各物流センターまで共同輸送するスキームです。これにより、以下の効果が期待されます。

  • 車両削減: 東京港で各社貨物を荷合わせし、運行車両台数を削減。

  • スピード: 従来のリードタイムを維持。

東京港からの共同輸送スキーム

実証実験の具体的な成果

2026年3月から実施されている実証実験では、上記2つの共同輸送スキームの運用により、従来のリードタイムを維持しながら、輸送網の集約と最適化が実現されました。具体的な成果は以下の通りです。

ドライバー運行時間の削減

  • 下関港からの共同輸送: 下関港での貨物集約により、車両の運行回数を4回から2回へ半減。フェリーによるモーダルシフトを組み合わせることで、従来の陸路輸送と比べドライバーの運行時間を約77%削減しました。

  • 東京港からの共同輸送: 従来の各社個別輸送スキームと比較し、約50%の削減となりました。

CO2排出量の削減(環境負荷軽減)

  • 下関港からの共同輸送: CO2排出量は、現行と比較し約37%削減となりました。

  • 東京港からの共同輸送: CO2排出量の削減効果については、実証実験結果として現行と同等水準に留まりました。今後は車両の積載率向上を推進することで、環境負荷軽減を図っていく予定です。

今後の展望

アパレル物流研究会は、今回の実証実験で得られた知見をもとに、共同輸送スキームのさらなる拡大を進めていく方針です。共同輸送スキームは、協業企業が増えることでネットワークが強化され、輸送ルートが面的に広がることで、その効果が拡大します。このため、同研究会では引き続き、持続可能な物流の実現を共に目指す新たな企業の募集を継続します。

2024年問題をはじめとするドライバー不足などの社会課題に対し、業界の垣根を越えた「持続可能な社会インフラ」としての共同輸送スキームを確立していくことを目指します。

「アパレル物流研究会」参加企業(2026年7月現在)

  • 株式会社アンドエスティHD

    • ファッションのワクワクを国内外に広げる“Play fashion!プラットフォーマー”を目指すマルチカンパニーグループ。

    • URL: https://www.andst-hd.co.jp/

  • 株式会社バロックジャパンリミテッド

  • 株式会社ビームス

    • 1976年創業のセレクトショップの先駆け。国内外のブランドや作品を多角的に紹介し、クリエイティブなソリューションを提供。

    • URL: https://www.beams.co.jp

  • 豊島株式会社

    • 1841年創業。グローバルな原料調達から最終製品の企画・生産管理・納品まで、ライフスタイル産業のサプライチェーンを総合的に担う。

    • URL: https://www.toyoshima.co.jp

  • 株式会社TSIホールディングス

    • 「ナチュラルビューティーベーシック」「マーガレット・ハウエル」など50以上のブランドを展開するアパレル・ライフスタイル企業。

    • URL: https://www.tsi-holdings.com/

  • 株式会社ユナイテッドアローズ

    • 1989年創業。独自のセンスで国内外から調達したデザイナーズブランドとオリジナル企画商品を販売するセレクトショップを運営。

    • URL: https://www.united-arrows.co.jp/

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