フィンテック 2026.09.01

SNS金融情報発信の信頼性向上へ:業界横断の自主ルールと認定制度が2027年4月運用開始

金融教育の未来を創る企業連合会は、SNSで金融情報を発信する「フィンフルエンサー」の信頼性向上を目指し、業界横断の自主ルールと認定・支援制度を2027年4月に運用開始します。詐欺被害の増加や発信者の不安に対応し、適切な情報流通を促進します。

文・webmaster 約5分
SNS金融情報発信の信頼性向上へ:業界横断の自主ルールと認定制度が2027年4月運用開始

導入

SNSでの金融情報発信が活発化する中、情報の信頼性や適切な情報発信のルール作りが課題となっています。この状況を受け、「金融教育の未来を創る企業連合会」は、SNSなどで金融・投資情報を発信する個人、通称「フィンフルエンサー」(ファイナンスとインフルエンサーを合わせた造語で、SNSや動画サイトで投資や家計管理など金融情報を発信する人物を指します)を対象とした業界横断の自主ルールと認定・支援制度を2027年4月から運用開始すると発表しました。これにより、情報を受け取る側が安心して情報を利用できるようになり、発信する側もより責任を持って活動できる環境の整備を目指します。

個人によるSNSの金融情報発信をめぐり、業界横断の自主ルール創設へ

取り組みの背景と現状の課題

近年、SNSを参考に投資を始める個人が増えていますが、現行の金融関連法制ではSNS上での情報発信を十分にカバーしきれない「グレーゾーン」が広がっています。これにより、根拠のない情報や売買を煽るような投稿が見受けられ、情報の受け手である個人投資家が不利益を被るリスクが高まっています。

警察庁のデータによると、2025年にはSNS型投資詐欺の被害額が約1,288億円、認知件数が9,523件に上り、いずれも前年の約1.5倍に増加しています。このような状況は、情報を受け取る個人投資家にとって大きな懸念材料となっています。

海外では、すでに金融・投資情報を発信する個人への対応が進んでいます。例えば、証券監督者国際機構(IOSCO:世界の証券監督当局が集まり、国際的な証券市場の健全な発展を目指す国際機関)は投資アドバイスに関わる発信者に関する報告書を公表し、国際的な対応の必要性を提起しました。フランスでは当局が発信者向けの教育プログラムを提供し、修了者に証明書を付与する認証制度を導入しています。また、2025年6月にはイギリスを中心に複数の国・地域の当局が連携し、不適切な発信者の一斉取り締まりを実施しました。

フィンフルエンサーが抱える課題

金融教育の未来を創る企業連合会が金融・投資情報を発信する個人23名を対象に行ったアンケート調査では、フィンフルエンサー自身が抱える課題が浮き彫りになりました。

最も多く挙げられた課題は「自身の発信の信頼性を客観的に示す手段がない」(60.9%)というものでした。また、「制度や法律が変更されたときに不安を感じる」(65.2%)、「発信内容が法令・ガイドラインに抵触しないか不安」(47.8%)といった、法令や制度の変化への対応に対する不安も多く見られました。

さらに、金融情報発信について第三者から研修やアドバイスを受ける機会が「ほとんどない」「全くない」と回答した人は合わせて82.6%に上りました。この結果から、多くのフィンフルエンサーが、自らの発信を裏づける明確な基準や相談先を持たないまま活動している実態が明らかになっています。

金融・投資情報の情報発信者が感じている課題

認定および支援制度の概要

この新たな認定および支援制度は、金融事業者、金融教育に携わる企業、情報発信者、有識者など、多様な関係者と連携しながら構築が進められます。フィンフルエンサーを一律に規制するのではなく、適切な情報発信を行おうとする発信者が自らルールを守り、その取り組みを受け手が確認できる自主規制の仕組みを目指しています。

制度の基本的な枠組みは以下の3つを柱とします。

  • 金融教育の未来を創る企業連合会が策定する「行動規範」への同意

  • 認証バッジの付与

  • 金融・投資情報の発信に関する研修

認証を受けたフィンフルエンサーは、プロフィールや投稿に認証バッジを表示できるようになります。これにより、情報を受け取る側が信頼できる発信者を見分けられるようになることを狙いとしています。

なお、この認定は個々の投稿内容や投資判断の正しさを保証するものではなく、あくまで適切な情報発信に向けた取り組みを認証するものです。

今後のスケジュール

金融教育の未来を創る企業連合会は、以下のスケジュールで制度の構築を進めていきます。

  • 2026年9月: 行動規範の策定に着手、有識者検討会を設置、一般社団法人の設立に着手

  • 2026年秋~年末: 行動規範の確定、研修プログラムなどの詳細な制度設計

  • 2027年2月: メディア関係者を対象とした記者向け勉強会を開催

  • 2027年4月: 自主規制の仕組みを開始、認証バッジの付与を開始

※制度の詳細およびスケジュールは、今後の検討状況により変更となる場合があります。

金融教育の未来を創る企業連合会について

金融教育の未来を創る企業連合会は、2025年3月に設立されました。最先端のテクノロジーを駆使する企業が結集し、官民連携のもと国民全体の金融リテラシー向上を目指す団体です。金融教育に関する調査・啓発、教育コンテンツの開発、イベント・セミナー等を通じて、金融リテラシーの向上に取り組んでいます。

株式会社ABCash Technologiesについて

株式会社ABCash Technologiesは、「お金の不安に終止符を打つ。」をミッションに掲げ、2018年に創業しました。金融教育サービスを通じて、お金の情報格差のない世界の実現を追求しています。主要事業である『ABCash(エービーキャッシュ)』は、専属のファイナンシャルコンサルタントが金融知識・ノウハウ提供、資産管理・運用サポートなどのお金のトレーニングを提供しており、2026年3月には累計受講者数が9万人を突破しました。
詳細はこちら: https://company.abcash.co.jp/

XFacebookLINE

関連する記事

Related

コメントを書く

メールアドレスは公開されません。