ISO認証・プライバシーマークの取得支援を手がける株式会社UPF(本社:東京都中央区、代表取締役:仲手川 啓)は、企業からの「個人情報漏えいのお知らせ・お詫び」に関する意識調査の結果を公表しました。全国の20〜60代の男女500名が対象です。漏えい後の対応が誠実であっても約4割(37.8%)が「そのサービスをやめる」と回答しました。お詫びとして配られる金券・ポイントについて「500円程度で納得できる」と答えた人は5.6%にとどまっています。

誠実な対応でも離脱意向は約4割、お詫び金では引き留められず
「漏えい後の対応が誠実だった場合、そのサービスを使い続けるか」という問いには、「やめる」が9.8%、「どちらかといえばやめる」が28.0%でした。合わせて約4割(37.8%)が離脱の意向を示しており、誠実な対応を前提にしても、およそ3人に1人以上が離れる可能性があるという結果です。漏えい通知を受け取ったことがない人に限ると、この割合は約半数(49.1%)でした。
金券やポイントがいくらなら納得できるかを尋ねた設問では、「金額の問題ではない(説明や再発防止策がほしい)」が41.2%で最多でした。「補償自体を求めない」の12.4%と合わせると、半数超(53.6%)が金額では納得しない層です。金額で納得する層を見ても、実際のお詫びでよく見られる「500円程度」で納得できる人は5.6%にとどまりました。「1,000円程度」は18.8%、「3,000円以上は必要」は22.0%で、求める水準は高めです。年代別では、「金額の問題ではない」が20代の29.0%から60代の56.0%まで年代とともに上昇しており、年齢が高いほど金券では納得しない傾向が見られました。

重視されるのは謝罪より「何が漏れたか」の説明
お詫び・通知で最も重視するものは、「自分の何の情報が漏れたのかの明確さ」が36.8%で最多でした。「漏えいの原因と経緯の説明」の20.4%、「公表・連絡の速さ」の19.6%がこれに続き、説明に関わる3項目で全体の76.8%を占めています。一方、「補償・お詫び金」は10.4%、「経営責任者からの謝罪」は6.8%で、いずれも1割以下でした。通知を実際に受け取った経験がある人に絞ると、「何の情報が漏れたのか」は44.1%に上がり、「経営責任者からの謝罪」は1.8%まで下がります。当事者になると、求めるものが謝罪ではなく「自分への影響の具体的な説明」に集中することが示されました。
企業が信頼を回復するうえで最も効果があると思うものについては、「セキュリティ対策の強化・公表」が45.0%で突出しました。主な回答は次のとおりです。
- セキュリティ対策の強化・公表:45.0%
- 第三者認証(プライバシーマーク・ISMS認証等)の取得・公表:19.2%
- 再発防止策の進捗報告:19.0%
- 外部専門家による監査・検証:12.8%
- 経営陣の交代・処分:3.6%(最下位)
UPFはこの結果について、消費者が求めているのは責任者の処分といった「けじめ」ではないとしています。求められているのは、体制が実際に改善され、それが外から分かる形で示されることだという見方です。また、20代では「第三者認証の取得・公表」が31.0%と全年代で最も高く、若い世代ほど客観的な認証を信頼の根拠として捉えている傾向が見られました。

漏えい経験者ほど認証マークを見てサービスを選ぶ
サービス登録時に企業のセキュリティ体制や認証マークを気にするかを尋ねると、「とても気にする」が15.2%、「やや気にする」が41.0%で、合わせて半数超(56.2%)が気にしていると答えました。企業サイトに認証マーク(プライバシーマーク・ISMS認証等)の表示があると「安心して個人情報を入力できる」とした人は51.2%で、「安心できない」の11.8%を大きく上回っています。
漏えい通知を受け取った経験がある人では、「気にする」が67.0%、認証マークで「安心できる」が62.6%でした。いずれも経験のない人(47.3%、41.8%)を約20ポイント上回っており、一度漏えいを経験した消費者は、次にサービスを選ぶ際に企業の体制を見て判断するようになることがうかがえる結果です。

UPF「個人情報保護は、起きる前に選ばれるための条件」
UPFは、「補償自体を求めない」と答えた人の77.4%が「やめる」と回答している点に注目しています。そのうえで、何も言わずに去る「静かな離脱」が最も大きなリスクだと考えられるとしました。消費者が求めているのは「何が漏れたか」の明確な説明(36.8%)と、セキュリティ対策の強化・公表や第三者認証といった体制の証明(3項目計77.0%)だと分析しています。そして、個人情報の保護は起きた後に謝るためのものではなく、起きる前に選ばれるための条件になっているとの考えを示しました。
同社は、AIの発展によってサイバー攻撃が高度化・自動化し、情報漏えいはどの企業にも起こりうるものになっていると指摘しています。漏えいを経験する消費者が増えるほど、認証マークを見てサービスを選ぶ人も増えるとし、新規登録の場面でISMS(ISO/IEC 27001)認証やプライバシーマークのように第三者が確認した証を示せるかどうかの重要性は、今後ますます高まると考えているといいます。同社は、累計5,673社(2026年9月1日現在)のプライバシーマーク・ISMS認証の取得・運用を支援しています。
調査はインターネット調査で、全国の20〜69歳の男女を対象に、2026年9月17日〜18日に実施されました。有効回答数は500名(男女各250名、20代〜60代の各年代100名)です。
出典:株式会社UPF