
航空会社の需要増に合わせて、国内拠点の生産体制を強化
機内エンゲージメントシステムと機内Wi-Fiサービスを世界で展開するパナソニック アビオニクス株式会社は、大阪・門真工場の拡張を完了しました。同社は米国カリフォルニア州アーバインに本社を置き、パナソニック コネクトグループに属しています。2026年10月23日には開所式が開かれ、パナソニック コネクトグループ CEOのケン・セイン氏、製造パートナー企業の代表、地元自治体の関係者が出席しました。
今回の拡張の目的は、次世代機内エンゲージメントソリューション「Astrova(アストローバ)」の需要拡大への対応です。Astrovaは世界各国の航空会社から引き合いが増えています。門真工場はAstrova 4K OLEDディスプレイなどの機内エンターテインメント(IFE)システムを製造する拠点で、供給先は航空会社45社以上、規模は50万席分を超えます。今回の拡張で、施設規模は従来の約2倍となる10,000平方メートル超になりました。
主な拡張ポイント
- 生産スペース:約1.8倍に拡大
- Astrovaの生産能力:6倍に増強
- 基板実装設備:2倍に拡大
- 工場面積:10,000平方メートル超に拡大
同工場には、将来の需要増に備えた余力も確保されています。航空会社が機内体験のデジタル化や機内通信環境の改善への投資を増やせば、それに合わせて生産規模をさらに拡大できる設計です。
4K OLEDと端末連携を一体化した「Astrova」
Astrovaは4K OLEDディスプレイを搭載した機内エンゲージメントソリューションです。機内エンターテインメントに加えて、IFEモニターとのWi-Fi接続、乗客が持ち込むデバイスとの連携、充電機能をまとめて提供します。座席のモニターを映像視聴だけに使うのではなく、乗客一人ひとりに合わせた快適なデジタル体験の基盤にすることを狙っています。
航空業界では、高速な機内Wi-Fi、ストリーミングサービス、パーソナライズされたデジタル体験への需要が高まっています。生産能力を6倍に引き上げたことは、こうした変化に合わせて航空会社が座席まわりの設備を刷新していく動きを、供給面で支える取り組みといえます。
座席を替えずに性能を引き上げる「eXNeo」も開発中
同社は新製品の増産と並行して、既存のIFEシステムを生かしたアップグレード策にも取り組んでいます。新しいコンピューティングプラットフォーム「eXNeo」は、従来のX Seriesモニターをそのまま使いながら、処理性能、メモリー、ストレージ、Bluetooth機能などの向上を目指すものです。
eXNeoを使えば、航空会社は座席を交換せずに機内システムを段階的に更新できます。全面的な入れ替えが難しい航空会社にとって、現実的な選択肢になりそうです。新世代のAstrovaと既存資産を生かすeXNeoという二つの選択肢を用意することで、航空会社は投資計画に合わせて機内のデジタル化を進めやすくなります。
パナソニック アビオニクスは1979年にこの分野を切り開いた企業で、現在は世界200社以上の大手航空会社が同社の機内エンゲージメント、衛星Wi-Fi接続、デジタルサービスを導入しています。従業員は3,300人以上で、世界50か所で事業を展開しています。拡張した門真工場はグローバルな生産拠点として、航空会社と乗客の多様なニーズに応える製品の供給を担っていく見込みです。
出典:パナソニックグループ